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私はというと…
基本的に事務処理。受付。留守番。芸術センスの欠片もなければ、特に知識もない頃と変わらず…
未だ進展しない。
自分でも勉強してみようとは思ってるんだけど、センスというものはきっと、ある程度生まれた時に組み込まれているのだと思う。だからやはり差があって、更に伸び率という物にも差があって…追いつきようのない事もあるのだ。
よって、私は今日も受付で1人で留守番。小さい写真館なのだけれど、大きな仕事もあるらしくて、今日はファッション誌の撮影で、皆さん外に出てしまっている。
「ヒマだな…」
自然と独り言も増えてしまう。
そうだ!こんな時は!…うーん…
何しよう…自然と苦笑してしまう。
ぼーっと入口の横の窓をみる。
いつものお決まりパターン。通り過ぎてゆく人の人間観察。変人だと言われても仕方ない。する事がないのですよ。
「桜が咲いてたらなぁ…」
窓から見える写真館の前の木は、春になると本当に綺麗なピンク色に染まる。キラキラと私の社会人としての一歩を後押ししてくれた、花達は今は面影もなく…
「私、どうしたらいいんだろうね…?」
問いかけてみるけど答えが返ってくるわけもなく、とても、寂しい気持ちになってしまう。春になって、桜が咲いたらその時は答えをくれるんだろうか。
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