Le de'but de la partieーgame startー

4/48
65人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
私はというと… 基本的に事務処理。受付。留守番。芸術センスの欠片もなければ、特に知識もない頃と変わらず… 未だ進展しない。 自分でも勉強してみようとは思ってるんだけど、センスというものはきっと、ある程度生まれた時に組み込まれているのだと思う。だからやはり差があって、更に伸び率という物にも差があって…追いつきようのない事もあるのだ。 よって、私は今日も受付で1人で留守番。小さい写真館なのだけれど、大きな仕事もあるらしくて、今日はファッション誌の撮影で、皆さん外に出てしまっている。 「ヒマだな…」 自然と独り言も増えてしまう。 そうだ!こんな時は!…うーん… 何しよう…自然と苦笑してしまう。 ぼーっと入口の横の窓をみる。 いつものお決まりパターン。通り過ぎてゆく人の人間観察。変人だと言われても仕方ない。する事がないのですよ。 「桜が咲いてたらなぁ…」  窓から見える写真館の前の木は、春になると本当に綺麗なピンク色に染まる。キラキラと私の社会人としての一歩を後押ししてくれた、花達は今は面影もなく… 「私、どうしたらいいんだろうね…?」 問いかけてみるけど答えが返ってくるわけもなく、とても、寂しい気持ちになってしまう。春になって、桜が咲いたらその時は答えをくれるんだろうか。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!