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「…オーイ…ッチ。…おい。」
え?舌打ち?
どこ?どこ?っえ?どこ?
完全にボーッとしながら外を眺めてたから、言葉の主が分からなくて、クルクル回ってしまった。
「…ッチ。こっちだっつうの。」
いや…どっちだよ。
ん?後ろ?…後ろ!?
「っ…ひぃ!!」
「やっと、気付いたか。ってかどっから声出してんだよ。俺は、別に強盗でも変人でもない。至ってノーマルな人間だ。」
いやいやいやいや…
ノーマルな人間は、基本的に前から入ってくるでしょ?確かに、裏にも出入口はありますけどもね…あそこはスタッフが使う所で…
ってか、この人誰よ…
容姿はなんかこう…シャープで綺麗目で、カッコいいし。目が特に素敵…って見とれてる場合じゃないだろ私!!
「あのぉ…どちら様でしょうか?」
「人に名前を聞くんなら、まず、自分からだろ。社会人の基本だ。」
「あっ…えっ…と…安田 夏音と申します。」
「あっそ。んでここで何してんの?」
えぇー!!
名乗らない感じ?名乗らせるだけ名乗らせて!?
何なのコイツ…たぶん年上?何だろうけどさ。こんな奴に社会人の基本だろっとか何とか言われたくないんですけど?
「あのさ…頭の中で、苛々を表現していくの…やめた方が良いよ。ストレス溜まるし。肌に良くないよ。
いくら若いとは言え、直ぐに老けるから、あとあと困ると思うよ。」
何なんすか?マジで?マジでコイツ…何なんですか?
私が出会ってきた史上ナンバーワンの嫌な奴登場です。神様どうかコイツに罰を!重い刑を!極刑を!!
「っで。何してんの?」
「いや、答える義務ないので。ところでお宅様はどちら様でいらっしゃるんですか?色々と、私に聞く前に、お名前を私に仰ってから始めるのが筋かと。」
「あぁ…名前ね。榊原 馨。んで?何してんの?」
「受付でお客様の来店をお待ちしております。」
「あぁ…ヒマしてんのね。」
はぁー!?
もう、我慢ならない。
この男、イラつく!!イラつく!!
我慢してたけど…してたけど…
うーん…もう…ムリ!!!
「何なんですか?さっきから?
ハッキリ言って、なんかさっきからムカつくんですよ。
それが初対面の人に対する態度ですか?それこそ社会人の常識外してますよ?」
「言いたい事…それだけ?」
へっ?何、その返し?
「聞いてんだけど?」
「あっ…はい。」
「あっそ。」
えっ?えぇー!!
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