65人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
ああー!!もう!!
ムカつく!!
どうしよう…
これから毎日あの人と仕事すんでしょ…
私、頑張れる自信ないんですけど…
はぁあ…とりあえず…
どうしよ。
「どした?夏音ちゃん?
具合でも悪いのか?」
「あっ!大地さん!大丈夫です。体だけは丈夫なんで…」
「って事は、心の方だな。
大丈夫っては言ってるけど、全然大丈夫そうじゃないぞ?
まぁ…いいや。酒でも呑みに行くか!!その方がスッキリすんだろ。」
優しいな大地さん。
アイツとは大違いだよ。
そこからの仕事は地獄だった。
そりゃね?私は初心者なんで、あなたのアシスタントとしては至らない点が多いですよ。
でもね…私がちょっとミスしただけですよ?
ちょっとですよ?そこから私が何やっても…
「…ッチ…」
お茶持ってただけでもですよ?
気を利かして、スキンシップを取ろうかと思いまして、話しかけただけでもですよ?
何なんですか?この人?
あぁもう…早く終わんないかな。
って思って何回も何回も時計を見る。
進まない時計の針と増える舌打ち。
時計の針の音が舌打ちに聞こえるくらいだった。
いや、そんなには多くはないんだけど…
…っと…まぁこんな感じで、私は大地さんに愚痴り続けていた。すみません。大地さん。お酒を入れたら、なんかこう…流れるようにイライラが吐き出されてしまって。
「相当溜めてたんだね。顔真っ赤か…」
「笑わないで下さいよ…私はもうどうしたらいいのか…分からなくて…」
「大丈夫だよ。夏音ちゃんなら大丈夫。
それに、馨はかなり腕のいいカメラマンだ。
国内ではもちろん…海外でもわりと有名なんだよ?ニューヨークで個展を開いた事もあるしね。」
へぇ…そうなんだ。
「だから、仕事、一緒にしてたら、勉強になるよ?それに…」
ん?何か今、一瞬…大地さんの目…曇った気がするんだけど…
「それに?どうしたんですか?」
あれ?何か隠してる?
「何て言おうとしたんだっけかな?忘れちゃった♪俺ももう年だな!」
あっ…誤魔化した。
何でだろう。
言いたくない事なんだろうなっていうのが、何となく分かった。あと、何となく認めたくないって感情がある気が…する。
「夏音ちゃん、彼氏は出来た?」
最初のコメントを投稿しよう!