第1章

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かけちゃんは泣き虫だからすぐに泣く。 「うっ、えーん…ごめんっねっ…ひっく… たっちゃんっ…ひっく…ぼくのっ…せいで…。」 こういう時は、いつも僕がお兄ちゃんになってあげるんだ。 「大丈夫だよ。かけちゃん。 セミはいっぱいいるから! ほら、探そ!僕がとってあげる。」 「うっ、う…ほんと…?」 「うん!」 頭を撫でて“いいこいいこ”をしてあげると かけちゃんは泣き止んだ。 同じ年のはずだけど かけちゃんは時々、弟みたいだった。 僕には弟がいないけど、きっとこんな感じだ。
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