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ここへ越してから、もう半年になろうとしていた。季節は移ろい、公園の木々も葉の色を変え冬支度を始めだしていた。
半年前、茶藤千雪は、以前住んでいた県外のアパートから逃げるようにして引っ越してきた。
ストーカーの被害を受けていた。
毎日のようにつきまとわれ、身の危険さえ感じるようになって、このままではうつ病になってしまいそうだった。警察に相談すると、一応、取り合ってはくれたものの、正直なところ、力になってくれるのかどうか怪しい限りだった。
とりたてて特徴もない五階建ての地味なマンション、「レジデンス茜台」の501号で新しい生活が始まった当初は、びくびくおどおどと、鳥の鳴き声でさえに反応して身構えていた。それが、半年もたってようやく平静を取り戻した感じなのである。
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