レジデンス茜台501号

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 そんな態度でいるのを、このマンションの住民は、たぶん挙動不審に思っているかもしれない。だが、それを気にしてはいられないのである。  千雪は、ここを安住の土地にするために、毎日をできるだけ地味にすごすことに徹した。  ところが、最近になって、部屋のなかにいるときに、どういうわけか視線を感じるのである。  その日も、夜、がらんとした約十三畳もあるリビングで、カーペットにすわりこんで一人静かにテレビを見ていたときだった。  どこからか見られているような気がした。  千雪は部屋をきょろきょろと見まわした。  締め切った分厚いカーテン、隣の502号は空き室で誰も住んでいないから物音もしない。  ――気のせい?  ずっとストーカーの影におびえ、気の休まることがなかった。
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