-first chapter -

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「…行っちゃったじゃない。…聞きたいことあったのに。」 だって、きっと。 あの人は知ってるから。本当の僕のこと。 「危ないヤツなのかも知れないだろ。」 「………いや、あの人の場合はたんなる見かけ倒しで…………。」 そこまで言って、口をつぐむ。 ……なんで僕は、そんなこと知ってるんだろ。 「とにかく、害はないから。」 何故か、木崎に危ない人だと誤解されるのが悲しくて。少し強い口調で諭すと、道にあの人が落として行った白い封筒を拾い上げた。
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