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「…行っちゃったじゃない。…聞きたいことあったのに。」
だって、きっと。
あの人は知ってるから。本当の僕のこと。
「危ないヤツなのかも知れないだろ。」
「………いや、あの人の場合はたんなる見かけ倒しで…………。」
そこまで言って、口をつぐむ。
……なんで僕は、そんなこと知ってるんだろ。
「とにかく、害はないから。」
何故か、木崎に危ない人だと誤解されるのが悲しくて。少し強い口調で諭すと、道にあの人が落として行った白い封筒を拾い上げた。
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