-first chapter -

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チケットをのぞきこんで、目を丸くする僕の横で木崎が舌打ちした。 その音に僕は、身体を強張らせる。 僕は舌打ちや大きい音が苦手だ。 ……木崎や両親は前の学校が関わると、途端に機嫌を悪くする。 僕には、それが"苦痛"だった。 僕にとっては、痛みでも苦しみでも手放してはいけない感情があの学園にはあるから。   それを認めてもらえないのは、もどかしい……。 だって、両方大事だから。 この手放したくない気持ちも、木崎や両親に心配をかけたくない気持ちも。 両方ホンモノだから。
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