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……手紙には、"文化祭に待ってる"。そう、書いてあった。
「………待ってる、って?」
微かな希望…………。
それとともに、途方もない絶望感。
何かが、頭の中を横切る。
『…そうやって。希望を抱いた分、傷はふかくなる。これが、現実だ。今に、思い知るぞ。』
突如として、頭の中で響き始めた声に耳を塞ぎたくなる。
……………オモイダシテハ、ダメダ。
『…もう、あきらめた方がいい。俺はお前の為に言ってやってるんだからな?』
高らかに笑う声。頭が痛い…。
『…ほら、コレ。もう、いらないって言ってたぜ?お前がこのストラップのように、捨てられるのも時間の問題だよなー。…平凡。』
ぐしゃりと、汚れた靴底で踏みつけられたストラップの映像が脳裏で揺れる。
…目がぐらぐらする。キモチワルイ。
「……由宇はいかないよ、な?………って、由宇?…なんか顔色悪いぞ?おいっ。」
木崎の声が頭の隅で響いて。
僕は気を失った…………。
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