99人が本棚に入れています
本棚に追加
練習サボってばかりのこいつがよくぞ、メンバーに選ばれたと思う。
……本当に。
けれど、木崎がサボらざるおえなかった原因は僕だ。
だから、今日は名一杯応援しよう。そう決めていた。
「………ちぇっ、バスは由宇とは別か。」
学校側で手配したバスは、教職員、選手用と保護者、応援に行く生徒用に別れていた。
「…仕方ないよ。僕は選手ではないもの。」
そう言って笑う僕の頭を撫でた木崎がこほんと咳払いをした。
「…由宇。もし、この試合に勝てたらお前に聞いて欲しい事がある。」
「…え?」
「…………きっと勝って聞いてもらう。だから、試合一生懸命応援して聞いて欲しい。」
「わかった。」
そう言った僕に安心して、また後でと手を振ると、木崎はバスに乗り込んで行った。
……その後ろ姿を見つめながら、時計で時間を確認する。
時計の針は、9時を回っていた。
………もう、文化祭は始まっている時刻だ。
最初のコメントを投稿しよう!