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「……っ、これ、は。気にするな。それよりも御願いって?」
「…うん。ケータイ貸して欲しいの。木崎の。」
そう言った僕に、木崎が目を丸くした。
………その後。詳しい説明もなしにケータイを借りるのも失礼かと思った僕は。
木崎を連れて、現在は近くのファミレスに来ていた。
家にいると、両親に聞かれる危険があるし…。
幼い頃からの知り合いである木崎を僕の両親は信頼しているから、一緒に出かけても不審には思われない。
………一通りの説明をした僕は、木崎からの反対にあっていた。
「………俺は反対だ。
お前を苦しめるだけの過去なんて思い出させたくないし。それに、両親に内緒でって……。俺が、オバサン達に顔向け出来なくなるよ。………ほら、お前の家とはこれからもずっと付き合って行けたらなって思ってるしさ……。やっぱり。」
そう言った木崎の手を握る。
「……ねぇ、木崎。御願い。」
そう、木崎は僕の御願いに弱い……。
「…まかせろ。」
そう言った木崎に、僕は心の底でニッコリと笑んだ。
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