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「きっか、お前は普通に毎日コツコツやっていけ」
「うん。でも、今日一日で全部やるのは大変だと思うよ？」
「だろうな」
「まず夏休みの友でしょー、漢字の書き取りでしょー、読書感想文でしょー、工作でしょー、自由研究でしょー、絵日記でしょー」
と、指を折って数えていくきっか。どれもこれも宿題の定番だな。
「あとね、一番難しいのがね……」
急に人差し指同士をくっつけモジモジしだす。
「……一番好きな人の似顔絵」
「ほう」
確かに、そりゃ難題だ。自分で自分の好きなタイプを告白するようなもんだからな。ま、大抵の者は無難に両親の顔でも描くのだろうな。
「きっか、好きな人いっぱいいるから一番なんて決められないよう……」
それで困ってるのか。いかにもきっからしいな。
「あーら、そんなの簡単じゃない」
そう言ってそいつはニヤニヤと、相変わらずの憎たらしい顔で入口に立っていた。
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