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「きっかもお兄さんに何かあげたら代わりにやってくれると思うわよ。せっかくの夏休み、宿題なんかで時間潰したくないでしょ?」
確かに、あの妹命のシスコン兄貴なら喜んで無償で引き受けそうだ。
しかし、
「んーん」
きっかは首を横に振った。
「きっかに出された宿題だもん。きっかがひとりでやらなきゃ!」
と、屈託の無い笑顔をくるみに向ける。
今ならコイツに、“マスター・オブ・YOIKO”の称号を与えてやってもいい。
くるみはそんなきっかを直視できないのか、目を泳がせ気まずそうにしていた。やれやれ。同じガキでも、こうも考え方が違うか。
「くるみ、これで如何に自分が後ろめたい事をしているのかわかっただろう。お前もきっかを見習って、ブタから宿題と下着を返して貰--」
「テンチョーーーーっ! 宿題全部持ってきたぜーーーーっ! うまび棒10本買うから手伝ってくれーーーーっ!」
………………。
つくね君、空気読もうか。
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