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家の手前まで帰ってくると、隣の家のガレージの中から、車から降りたばかりらしい若い青年が出てきた。 「かっちゃん、おかえり」 気さくな人のよい隣の若者は、嘉寿男より5つ歳上の幼馴染み、健(たける)だ。 「た、健兄ちゃんも…今?」 「そっ。特に何もなきゃ、役場は定時に終わるからな」 にこやかに笑いながらシャッターを下ろし、健は軽トラックに近寄った。 「明日はまた大変だろ?なんか手伝おうか?」 「だ、大丈夫…ほとんど…用意できたし」 「今回も?」 「う…ん。おっちゃんに…分けてもらったから」 そう答えを聞くと、健は『うっしゃっ!』と小さくガッツポーズをした。 「明日、楽しみだ。あ、運ぶものあったら言えよ。それくらい手伝ってやるから」 「うん…ありがとう。俺も、健兄ちゃんが…いてくれるから…楽しみだよ」
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