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「だったら、織部が迂闊にそういう疑問を口にしないように、お前が躾をだな……」
「ああ、やめて下さい! あたしが悪かったです!」
シャーペンでコンコンと机の角を叩きながら、陽香がしゅんと俯いた。
それに目をやってから、額田先生が面白そうにニヤッと俺の顔を見る。
「……余計な口出ししなくても、進行中か。これは無粋なことをした」
何も話していないのに、額田先生は勝手に察して勝手に納得している。
察するのは勝手だけど、どうしていちいち口に出すんだろう……。
愛美さんを見て、やりたいと思ってたことがある、ってこと、今度佐奈さんに告げ口してやろうか。
次に額田先生が陽香にセクハラをしたら、本人へのイタズラ電話とともに、そういう嫌がらせをしてやろう、と心に決めた。
嫌がらせというのは子どもっぽい発想で行われるべきものだから、それで充分だろう。
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