それは君のことだと、何度でも。

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  「や、やだ……」 「判る、陽香」 「やだ、そんなこと……」  飲み込みの早い陽香自身に感動を覚えつつ、気持ちが逸った。  すると、キスの合間に陽香が続きを呟き始める。 「もう、溺れそう……判んない……仁志くんが、熱くて……」 「溺れそう……? 陽香、一体どこにいるの……」  責めるように言いながら、進めた。  陽香は苦しげにかぶりを振る。 「声、出していいから……」 「や、判らない……ほんとに、判らないの……」  この娘は単に、俺を好きなだけだ。  それだけで、何も知らないくせにこんなに──。 .
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