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仁志くんの指先が、心臓の次に信じられないくらい反応しているのであろうそこにたどり着いて、あたしはただただかぶりを振った。
恥ずかしいのもあったけど、自分で自分が信じられなくて。この前仁志くんにここを弄られたときは、ただ不思議な感じがずっと続いてて──正直、よく判らなかった。
陽香は軽くいったんだよ、とあとでやんわり教えてもらって──びっくりしたけど。
……どうしよう、気持ちいいって、判ってしまってる。
仁志くんは、何度かするうちに慣れてくるからって、そう言った。けど、指でのことだってまだ2度目なのに、往復する仁志くんの指が、気持ちいい。
けど勝手に揺れる自分の心と身体に、絶望しそうだ。
くつろげられていくその場所に、仁志くんが指を押し付けてくる。いつでも挿入るよ……って言ってるみたいで。いいから早くと言いたいのを堪えて、あたしは働かない思考をフル回転させた。
「溺れそうで……判らない……仁志くんの身体が、熱くて……」
ぬる、と。仁志くんの指が押し進められるのが判る。
教えてもらわなくても、ものすごいことになっているのが自分で判る。
恥ずかしくて、怖くて堪らない。
怖いのは仁志くんじゃなく、もうとっくに平気だとささやきかけてくる、自分の本能。
こんなこと一度もしたことがないのに、どうして判るんだろう。
もっと違うもので塞いで欲しい──だなんて。
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