それは悪戯が過ぎる。

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   従順で、それでいてときどき俺の想像を超えた反応を見せてくれる陽香。  こういうことって、だんだん慣れてしまって、おざなりになっていくものだけど。  陽香にしてないことと、してみたいことというのがまだまだありすぎて、その領域までたどり着ける気がしない。 「後ろ、試してみる?」 「え……っ」 「前、変な勘違いしてただろ。普通のことだって、教えてあげる」 「や、や……今じゃなく、ても……」 「手伝うから、ほら」  疲れきっている陽香にそうさせるのは気が引けるけど。  俺に言われるまま、従っていたらいつの間にか別のことが浮かぶはずで。  それが出てくる瞬間を、何度も見たい。  それがちょっとでも見えたら、ちゃんと言葉にして言ってあげたいと思ってる。  相手が俺だけなら、どんなこともかまわないんだよ……ってことを。  伝えたところで陽香から羞恥心を拭うことなんて、出来やしないけど。  そのめんどくさいやりとりが、いいんだ。 .
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