なつのおと

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  「……手抜きじゃないから。ちょっと、ショートカット」 「え?」  言いながら仁志くんは、あたしの背がベッドにたどり着くなりワンピースの下から手を侵入させてくる。  その手がさっと下り、ワンピースの裾から下着が出てきたのを見て、急に恥ずかしくなった。  ショートカットって、そういう……。  それでも全然かまわなくて、性急にことを進める仁志くんの少しだけ荒っぽい手つきに、またドキドキした。  こういうのも嫌じゃない、なんて言ったら。  また、言葉で色々いじめられちゃうのかなあ……。  すぐに何も考えられなくなって、耳に仁志くんの吐息と風鈴の音だけが響いていた。  ああ、本当に夏だ、なんて。  わけなく、そう実感しながら。 .
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