244人が本棚に入れています
本棚に追加
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
浴室から出た途端、ピンポーン……とチャイムが鳴った。
玄関を開けると、そこに立っていたのは斉木。
バタンとドアを閉めてしまいたかったが、こいつがこんな時間にやってくるのも珍しくて、仕方なく部屋に上げた。
「相談。いいー?」
俺と同じくらい疲れた様子の斉木は、手にコンビニの袋をふたつ持っている。
片方を俺に差し出すものだから受け取って中を見ると、ビールが入っていた。
「飲みながら? つまむもの何もないよ」
「あ、ビーフジャーキーがこっちに入ってる。一緒に入れたら袋が濡れると思って」
言われた途端、舌がビーフジャーキーの歯ごたえと、独特のしょっぱすぎる感じを思い出す。
……うん、飲みたくなってきた。
よく冷えた缶ビールをテーブルの上に置いて、ベッドに腰掛けた。
シャワーを浴びている間に来ていた陽香のメールを確認する。
“お風呂入って寝るー”とあったので、“おやすみ”と返しておいた。
付き合い始めてからのメールの方がお互いそっけない感じがするけど、会って話す方がいい、というのは俺と陽香の共通した意識だ。
最近では会って話すと、もれなく今日みたいなやらしいことがついてくる、けど。
.
最初のコメントを投稿しよう!