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「それ、夜中のうちにやられたってこと?」
「うん。それ見た瞬間めぐみちゃんその場で泣き崩れて、今日1日部屋から出られなくなって。今日は独身のお局さんも一緒に有休とって、一緒にいてくれたんだ。でも、ずっとってわけにいかないから、明日は頑張って出社するって言ってたけど……」
「生理的に、イタズラの域超えてるだろそれ。気持ち悪かっただろうな……」
「うん。どう考えても、男子社員の誰かだって。一応、男は女子寮への立ち入りは禁止ってことになってるけど、夜には管理人さん帰っちゃうし、ランドリー通れば行き来はできるんだって」
「警備体制はないんだ。ザルだな」
斉木は悔しそうに口唇を噛みしめる。
「お姉さんとお局さんは、何としても犯人見つけるって言ってくれたんだけど。ひょっとして、そこまでされたのって俺のせいかな、とか思って……そしたらなんか、へこんでさ」
「……お前がいつも送り迎えするから、相手を刺激したかも、ってことか?」
黙って頷くと、斉木は缶の中のビールを一気に飲み干し、手の中でグシャッと握り潰した。
「マンションとかアパートなら、俺、ついててやれるのに。会社の寮なんて、俺、何もできないし。けど、めぐみちゃんその会社で働いてるし。仕事自体はやっと楽しくなってきたかも、って」
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