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斉木くんの名前が書かれた桧看板から目をそらしながら、額田先生のあとをついて斎場の自動ドアをくぐった。
そこにいたのは、仁志くんと斉木くんの元担任である島木先生。
「額田先生」
額田先生と島木先生は待ち合わせをしていたんだろう、しばらくその場で話をしていた。
その間、どうしたらいか判らなくて、会場の扉の前にある斉木くんの名前が書かれた看板をじっと見つめていた。
その扉の前で、受付の準備がなされている。告別式はまだ始まっていないようだ。
「……あの、織部さん?」
しばらくぼーっとしていると、目を真っ赤に張らした島木先生があたしを見ていた。すると、額田先生が息をつく。
「彼女が、坂田と付き合ってる娘ですよ。斉木とも面識があるので連れてきました」
「ああ……」
納得したと同時に、島木先生の瞳に涙が浮かんだ。
「織部さんも、ショックだったでしょう。ほんとに、どうしてこんなことに……」
島木先生とは、最近生徒会関係で職員室に頻繁に出入りするようになって、話すようになった。
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