それを君に強いる僕。

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   だったら俺は──自覚しながら犯したことを、いつ贖えばいいのだろうか。  陽香は何も悪くないのに、俺と深く関わったばっかりに、こっちの罪悪に巻き込まれてあんなに泣くことになってしまった。  陽香の手を放さなければいけないことが既に罰のはずなのに、彼女の泣き顔を見て俺はまた、新しい罪の存在に気付かされるんだ。  もう、これ以上、誰かが泣く姿なんて見たくない。  俺が犠牲になってすべてが丸く収まるのなら、いっそ今すぐ息の根を止めて欲しい。  神様なんて信じてないから、誰に向かってそれを願えばいいのか判らないけど。 .
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