192人が本棚に入れています
本棚に追加
だったら俺は──自覚しながら犯したことを、いつ贖えばいいのだろうか。
陽香は何も悪くないのに、俺と深く関わったばっかりに、こっちの罪悪に巻き込まれてあんなに泣くことになってしまった。
陽香の手を放さなければいけないことが既に罰のはずなのに、彼女の泣き顔を見て俺はまた、新しい罪の存在に気付かされるんだ。
もう、これ以上、誰かが泣く姿なんて見たくない。
俺が犠牲になってすべてが丸く収まるのなら、いっそ今すぐ息の根を止めて欲しい。
神様なんて信じてないから、誰に向かってそれを願えばいいのか判らないけど。
.
最初のコメントを投稿しよう!