流れ行く月日と共に

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 寒いのは、身体だけでは無い事に、まだ悠里は気付かない。自分の心の奥底にある寒さに……。  「……違うって。そこは、アイテムをたくさん取るのが良いんだって」  「ええ!? そうなのか。あれは? 1UP」  「それはもう少し先に裏技が使える所があるから、遊びに来いよ」  先程から小学生達が話す内容が聞こえて来るが、なんだか良く解らなくて首を傾げる悠里。ゲームに興味が無ければこんな感じの反応だろう。  悠里は黙ったまま小学生達を見送った。  「……あ、それってアレだろ? ゾンビとか幽霊とか魑魅魍魎とかっていうのがたくさん出てくるソフト」  また、違うゲームの話らしい。……そんな種類まである事に悠里は驚いていた。ホラーアクションか何かのゲームなのか。しかし、小学生で魑魅魍魎なんて言葉がスルリと出て来た事は笑えた。  それだけゲームに入れ込んでいると言えば可愛いものでもあり、きっと親からすれば悩みの種なのだろうと悠里は思いを馳せる。  ……孝彦もそういった事を一緒に悩み考えてくれるのだろうか?  悠里は大きく息を吐き出した。……悠里の考えがまとまった。
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