流れ行く月日と共に

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 けれど、ケンカも含めて毎日共に過ごす時間と空間が有って、結婚生活だと思っている。それをしたくない、という人と共に居られない。  悠里はローテーブルから立ち上がって、手紙を仕舞っている箱をスチールラックから取り出した。箱の蓋を開ければ、一枚の葉書が手紙の一番上に乗っていた。  「孝彦。これを見て」  それは、親友の梓が出産報告をしてきた葉書だった。名前と出生時の身長と体重が産まれた赤ちゃんの写真と共に載っている。  「子ども……?」  悠里の意図が解らない孝彦は首を傾げた。  「うん。……私、孝彦と結婚をして、こういう風に可愛い赤ちゃんを産みたいって思ってた。でも、孝彦の結婚生活の考え方を、私は受け入れられない。その考え方を受け入れたら、子どもを産めない。産めても育てて行けない。そんな父親と一緒に暮らせる子なのに、一緒に暮らせないなんて私が無理だわ。孝彦。子どもが産まれても、孝彦の考え方は変わらないと思う?」  「自分で変わらないと思う」  悠里は孝彦の返答を聞いて、目を閉じた。絞り出すような声で伝える。  「それじゃ、私は孝彦と結婚出来ない。……別れて下さい」  頭を下げた。
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