―空華―

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喜助視点――――――――――ー 俺の主は少し変わったお方だ…。 喜「…何をなさってるんですか?」 地に這って縁の下を覗いている 椿さんに声をかければ、その人は 僅かに肩を揺らした。 椿「あ、あれ喜助ッ…し、仕事は!? 何でここにおるん!?」 喜「…終わりました」 椿「そうかそうか、いやー喜助は 本当に優秀な部下だなぁー私の 自慢だよーあははは」 その言葉に俺の何かが歓喜する。 …ですが主、その格好では格好が つきません。これは助け出した方 がいいのか…と、半身だけの主の 姿を見て思案した。 喜「有り難き御言葉…して椿さん はそこで何をしてるんですか、」 椿「あ、うーんと実はね子供達の 竹とんぼの修理をしてて、直った か確認の為に飛ばしたら…まあ、 この様で。ははは…うお、あった」 顔や着物に泥をつけて、竹とんぼ 片手に這い出てきた主。 どこか嬉しそうに縁側に座って、 それを弄るこの方が、あの夜叉の 集まりと言われる零番隊を、纏め あげていると誰が思うだろうか、 「おーい椿姉ちゃーん、竹とんぼ 直ったかーッ」 「姉ちゃーん、俺のも直してー」 …どこから入ったのか子供達が 椿さんの周りにわらわら群がる。 椿「おおー椿さんに任せなさいな 勘兵衛のはあと少しで直るよー」 主が笑えば周りが明るくなる…。 ―――貴女が陽ならば俺は陰だ。 俺には眩しすぎる。
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