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静寂の中…突然、近藤さんが顔を
覆って肩を震わし始めた。
近「がはははっ…お嬢さんの事、
気に入った。よし、いいだろう!!!
お嬢さんをここの隊士にしよう、
武士よりも武士らしい女子だ」
椿「ほ、本当ですか!?」
その言葉に女は、身を乗り出すが
土「俺は許さねぇーぞッ!!!!!」
そうだ、俺は許した訳じゃねー…
こんな女に何ができる。おうおう
一丁前に睨むことはできんだな、
近「いいじゃないかトシ~…私は
この子の心意気に惚れたよ。トシ
もそうだろ?」
土「駄目だ、失う物が多すぎる」
椿「…それでもいいです、私には
大切な物はもう、片手で足りる位
しか残ってません」
土「な゙っ…それでも「…トシ」
いつになく真剣な声に、俺は言葉
を紡ぐのを止め、近藤さんを見た
近「君の負けだよトシ…どうやら
そこのお嬢さんは、相当な頑固者
のようだ…いやぁ参った参った」
笑い事じゃねーよ…、と毒づいて
畳に座り込む。…そんな俺に女は
向き直り、再び深く頭を下げた。
なんだよ、俺だけが不貞腐れてる
みてーじゃねぇかよ。
椿「…お願いします、土方さん」
土「…使い物になんなけりゃあ、
意味がねぇ、まあその顔なら島原
もいけそうだな。で、何ができる」
…女は、俺の目を見据えて言った
―――――――はい、暗殺術です
その時、血のように紅く冷たい目
が恐ろしいと思った。
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