―紅色―

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近「お、お嬢さんがかッ!?」 驚いた近藤さんの顎は戻らない。 椿「他に柔術、剣術、弓術、槍術等 暗殺に必要なものは一応、すべて 修めてはいます。」 女はいたって冷静だ。さも人殺し を何とも思わないと言うように。 末恐ろしい、だが俺らはこの人材 が喉から手が出るほど欲しい…。 ―今の俺達には力が欲しいんだ。 だが、あくまでこちら側が優位に 交渉しなければならない。 土「口先ならいくらでも言える。 お前、俺について来い」 近「トシ、何をするつもりなんだ」 急に立ち上がった俺を不安げに 見つめてくる近藤さん。同様に女 も不思議そうに見上げてくる。 丁度、今頃は道場で鍛練の頃だろ …この女がもし、本当の事を口に しているのなら相当、おもしれぇ ものが見れるかもしれねー 俺は余り性格が良い方ではない。 土「この女が、嘘をついてねぇか を調べんだよ…近藤さん」 どうやら俺は相当な顔をしてた らしい、呆れた顔をした近藤さん を見たのはバラガキの頃以来だ。 近藤さんの部屋を出た俺の後を ついてくるのを確認して、今後の 事を説明する。 土「これからお前には、ある奴と 戦って貰う。方法はなんでもいい 相手から獲物を手放す事が、出来 たらお前の勝ちにする。」 出来るか?…と顔だけ振り向けば 無言で頷いた。 土「勝ったら、お前の望み通り… 隊士にしてやる。」 そんな事を説明しながら、廊下を 歩いていると…
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