ハバネロと、チーズ

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何とか心臓を落ち着かせて旧校舎に入る。 皆で旧校舎の一番手頃な部屋を見つけて、机やイスを動かして会議室っぽく並べる。 「なぁ、なんで机が5つなんだ?」 「ここに座るためじゃない。」 Uの字に並べた机の、真ん中の部分に麗奈が座る。 この説明で解りにくい人は、「一番偉い人が座る場所」を想像してくれ。 麗奈から見て左隣に俺が座り、その隣に兎月。そして俺の向かいに鎖暁さんが座る。 「さて、記念すべき我が部活の第一号の活動ね。」 全員の視線が麗奈に集まる。 「さて、議題は………あ、この紙を埋めるわよ。」 そう言って麗奈はカバンを探ると、紙を一枚取り出す。 「部活動申請書……?」 「えぇ。まずはこれを書いてしまわないとね。と、いうわけで……はい。」 麗奈が申請書を押し付けてくる。 「な、なんだよ。」 当然のように渡されて、身動ぎしながら問うが、 「あんたが書くのよ?」 当然のように返される。 「いや、だから何で。」 あまりに理不尽ではなかろうか。 「……読んでみなさいよ。」 本当になんだって言うんだ全く……何々…。 「部活名」のところは白紙だ。 「部員欄」と書かれた場所の一番上に麗奈の名前。カッコ書きで(部長)と書いてある。 そしてその下。 詩歌葉 瑠璃也(副部長) と書いてあった。 「………え。」 「そーゆー訳で、あたしが議長やるからあんたが書記をやりなさい。」 「いや、俺、副部長だなんて……。」 中学の頃だって、平部員で、~長っていう役職は例え頭に副が付いてもやらなかったってのに………。 「気にしなくて良いわよ。肩書きだけだから。」 「お、おぅ……。」 こうして書記をやらされている以上肩書きだけでは無いのが明白だったが、まぁ良しとしよう。 しぶしぶ俺の名前の下に「青海兎月」「鎖暁優乃」と、付け加える。 「で、議題は?部長さん。」 「まずはこの部活の名前を決めましょう。バンバン言っていってね。」 じゃあ、 と、真っ先に鎖暁さんが手を挙げる。 「実は考えてたんだけど……アイラ部。」 「youってか?却下だっ!」 考えたっていうか思いつきのギャグじゃねーか! 「ふぅん、面白そうね。ちなみにどんな意味?」 「「あ」なたと「い」っしょに「ラ」ブホテ……。」 「却下ぁ!」 下ネタかよ!? アイラ部なんてプリチーな名前でエグい下ネタ突っ込んでんじゃねーよ!!
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