砂糖と塩と、酢と醤油

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さて、波乱の入学式の翌日。 突然だが、この学校には一風変わった校則がある。 「生徒は、必ず部活に入部する事。」 ここまでは解る。 「もしくは、部活を作る事。」 入学して1週間は体験入部期間と言って、部活を覗く。帰宅は許されない。 面白いのは、「同じ部活には体験入部出来ない。」という制度だ。 つまり、1日目に野球部に行ったら、2日目以降は野球部には行けないのだ。 それゆえに色々な部活を覗けるのだが、唯一の親友がことごとく新しいクラスメイトに連れ去られた俺には、辛い物がある。 部活は自由に作れる為、仲良しグループが適当な名前を付けただけの部活もあるし、「帰宅部」なんてのもある。 …………帰宅部にでも行ってみるか。 自嘲的な笑みを浮かべると、教室を出ようとする。 出ようとした。 呼び止められた。 「ちょっとあんた。」 「……何…かな。」 面倒な奴に絡まれた。 振り返るとそこには、麗菜蓮花の姿。 「あんた、1人?」 「あぁ……そうだけど。」 嫌な予感がする。 「そう。じゃ、一緒に回りましょ。着いてきなさい。」 俺の予感を的中させると、俺の答えを聞かずに彼女は歩き出す。 「いや、あのさ………。」 「なーにボサッとしてんの、早く行くわよ。」 その後に彼女は続けて言うのだ。 「ガンガン話掛けてほしかったんでしょ?」 彼女には敵わないと思った。 「解ったよ。」 そう答え、俺は彼女の後を追うのだった。 そんな1週間が、過ぎた。
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