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パトカーの回転灯が、
体育館の壁にちかちかと
赤い光を反射している。
わたしは校舎の階段の
踊り場にある窓から、
じっとその赤い灯を見ていた。
学校の大きなワゴンに、
ぞろぞろと人影が
乗り込んで行く。
ここからは、その中に
先輩がいるのかどうか、
確認することが出来なかった。
「――椎名。大丈夫か?」
見下ろすと、榊先生が
階段を上って来るところだった。
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