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「雪村くんが、全部話してくれたのよ」
「やっぱり……」
わたしはミルク入りのコーヒーで
両手を温めながら、頷いた。
「やっぱり、って?」
「雪村くん、口軽そうだから」
「あら、そんなことなかったわよ。
聴き出すの、大変だったんだから」
カウンセリング室に着いた時、
部屋の中はすでに
コーヒーの香りで満たされていた。
フジコ先生はこんな時なのに
大がかりな書類整理をしていた。
頭の中を整理する必要があるときは、
いつもこれを始めるらしい。
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