第2話 愛されたがり

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愛されたがり どうか僕を見てください どうか僕をそんな目で 見ないでください どうか僕を放っておいてください どうか僕を放っておかないでください どうか僕を褒めてください どうか僕を 誰か 欲しいものがあった 憧れているものがあった だから自分が、姿を変えた 悲しくなんかない 空しくなんかない (本当に?) ああ、いっそこの心さえ、 誤魔化すことが出来ればよかったのに 何も変わらないというのに。 たったひとりの 人間だというのに。 どうしてこんなにも違う。 前に進みたいだけなのに。 許されない、許してくれない。 何がそんなに違うというの。 檻を作る度、瞳を潤ませ 僕を見つめる自分が 小さく呟くんだ。 マタ閉ジ込メルノ? ズット閉ジ込メルノ? 僕は目を反らして。 幾度も自分を奈落に葬る。 落下する時、微かに目が合う。 イツカハ、オマエモ。 いつまでも、いつまでも。 逃げているだけの人生を ホントはずっと変えたかった。 もう、手遅れかもしれないけれど 願うことだけはやめない 僕だけの光を求めて
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