1135人が本棚に入れています
本棚に追加
やだ、どうしよう!?
こんな焦ってたら、まわりに絶対おかしく思われない?
悠哉が側に来たことで、回りの視線がこちらへ注がれているような気がしてならないよ。
…というか、どう見てもみんなこっち見てるよね?
すると悠哉は、私ではなく大谷くんへ話しかけていく。
「…で、お前はどこの課の、誰だ?」
「あ、俺ですか?…経理課の大谷です」
「……経理課?」
ああ、ちょっと!
別に、眉間にシワ寄せながら聞かなくてもいいじゃない!
なんだか悠哉の雲行きがあやしくない…?
もしかして、大谷くんのこと何か誤解してる?
このままここにいたら、ものすごくヤバいような…。
「あの、…お料理、もうどれも食べましたか?…私、何かとってきますよ」
なんとか空気を変えなくてはと思い、すぐさま話しかけてみた。
すると、大谷くんから私へ視線を戻す悠哉。
目が合うと、ニコッと微笑んできた。
「ああ、どれも食べたよ」
「…そ、そうですか…」
…ああ、どうしよう。他に、何か他に話をふらないと…。
私が言葉を詰まらせると、悠哉はすかさず話を続けた。
「どれも食べたが、…やはりなるの手料理が一番だ」
最初のコメントを投稿しよう!