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「悠哉!お願い!やめて!」
必死に止めようとした私の声が、会場内に響き渡った。
すると回りが一瞬にして静まりかえり、みんなの視線が一気に突き刺ささってくる。
…あれ?
…え!?
…私、今なんて叫んだ?
言葉を思い出すよりも先に、回りがどっとざわつき始めていた。
「今、悠哉って呼んだよね!?」
「社長のこと、名前で呼んでたよね!?」
そう聞こえてくるみんなの声によって、我に変える。
や、やだ!!
私、何やってるの!?
ええ!?
今、呼んだ?
私、悠哉って呼んじゃった?
思考が停止してしまった私は、瞬きするのも忘れて突っ立っていた。
すると、私の頭に悠哉の手が乗っかってくる。
ゆっくり顔を上げると目が合った。
「なる、上出来だ」
そう言って、ニッコリ微笑んだ。
…え!?
…ええ!?
悠哉の優しい笑顔によって、自分のしたことを改めて実感すると、顔が今までにないくらい熱くなってきてしまった。
悠哉、待って。
…私、笑えない…。
すると、後ろからアハハと笑い声が聞こえてくる。
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