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今にも泣きそうになりながら、顔が熱いのを気にかけながらも、後ろを振り返ってみた。
お腹を押さえながら、大谷くんが爆笑している。
「アハハ!なるちゃん、ウケる!」
…ちょっと!ウケるってなに!?
笑いすぎじゃない!?
大谷くん、ひどいってば!
涙をこらえながらムッとしていると、そんな大谷くんの右肩越しに、高野課長の姿が見えた。
こっちを見て、少し遠慮がちにクスクス笑ってる。
うっ…、もうやだぁ…。
せっかく高野課長黙っててくれてたのに、まさか、こんな場所で…、自分が…。
あぁぁぁぁ!
心の声が漏れそうになり、なんとか必死にこらえた。
そしてさらに目線を右へ移すと、いつものように爽やかに微笑む専務が…。
いつかこうなるのは分かっていましたよ的な、その笑顔。
その隣で、キャッキャキャッキャとはしゃぐ愛美さん。
あぁぁぁぁ!
やめて!
こっち見ないで!
私ってば、ホントどれだけアホなんだろう!
全ての思いを何とか胸の中に抑えて、私は目をつぶり、現実逃避を図った。
これが夢でありますように。
きっと何かの間違いだ。
…あり得ない。
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