事実

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気づけば悠哉も専務も、私と愛美さんのやり取りを見ていたのか、となりで微笑んでいた。 ああ、どうしよう…。 すごく嬉しくて、嬉しくて。 さっきまでの不安と緊張に似た胸の鼓動は、今、その嬉しさで高鳴っている。 「なる、行こう」 悠哉が私の手を再び引っ張ろうとした。 「え!ちょっと待って!」 私は慌てて2人に頭をペコッとさげた。 「愛美さん、専務!ありがとうございます!」 手を引っ張っられながら、なんとかそう伝えると、愛美さんはニコッと笑って手を振った。 「相沢さん。素敵な誕生日になるといいですね」 専務はニコッと微笑み、そう声をかけてきた。 あれ? そのフレーズ、一度聞いたことがあるような…。 どこでだったかなぁなんて考える余裕もなく、悠哉と私はいまだみんなの視線を集めて、ざわつく会場内を突き進む。 そして、悠哉に手をギュッと握られながら、もう片方の手で大切にブーケを抱えながら、私たちはそこを後にした。
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