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俺がステージを降りると、片桐と愛美が迎えた。
「社長、ありがとうございます」
「やめろ。俺はお前に、礼を言われるような立場ではない。思ったままを言葉にしただけだ」
手をあげながらそう言うと、片桐はニコッと笑った。
すると、その後に愛美も続く。
「悠哉、ありがとう」
頬を赤らめながら、少し控えめに礼を言う愛美を見てすぐに思った。
「…ああ、俺の前ではいつもそれぐらいしとやかでいてくれるとありがたい」
「はぁ!?私、別に悠哉好みの女になるつもりないんですけど」
…やれやれだな。
なんだか疲れてきてしまったのは気のせいか?
さっきのスピーチで、もう少しからかっておくんだったな。
しばらくのんびりしていると、またも別な女に声をかけられた。
「社長、お疲れさまです。よかったらお飲み物どうぞ」
「ああ、ありがとう」
いったいこのやり取りをいつまで続ければいいんだ?と思いながら、時計を見てみる。
もうすぐ20時を回るとこだった。
ふぅと一息つくと、さらに女が話しかけてきた。
「ケーキとかデザートも出てるみたいなんですけど、取ってきましょうか?」
「……じゃあ、お願いしよう」
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