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そう返事すると、女はニコッと微笑み小走りしていった。
俺が飲み物を口にしていると、真後ろから愛美のボソッと呟く声が聞こえてくる。
「相変わらずもてるのねぇ…。なるちゃんの苦労が身に染みるわ…」
振り返ると、愛美が俺を見上げていた。
「…ん?」
「あんまり女性にいい顔してると、あとで厄介になっちゃうんじゃないかなぁと思ってさ。…なるちゃんがなんだか心配で…」
そう言う愛美をしばらく見つめた後、口を開いた。
「…どうしろっていうんだ?」
「でも、もしかしたらそんな心配、必要ないかもしれないわね。…なるちゃんはなるちゃんで楽しんでるみたいだし」
「…おい、さっきから何が言いたい?」
よくわからず首を傾げると、愛美はニマッと微笑み、ある方向を指差した。
その指差す方へ視線を送ると、そこには楽しそうに1人の男と会話してるなるがいた。
…ん?その隣にいる男は誰だ?
俺が目を細め見つめてると、愛美がさらに呟く。
「きっとなるちゃんは、悠哉に振り回されちゃうんだろうなぁなんて思ってたけど、…もしかしたら逆なのかもしれないわね」
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