事実

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「いや~、想像以上に専務かっこよかったし、こんな写真とれてマジよかったよ!」 あはは…。 「そう。よかったね」 私が適当に返事すると、今度は真顔で大谷くんが私を見てきた。 「そうそう!俺、もうひとつ思ったんだけどさ」 「…何?」 「ちょっと耳かして」 「え?」 その意味がよくわからずいると、大谷くんがコソッと耳打ちしてくる。 「なるちゃんの恋人も、すごいかっこよかったね!」 まさか悠哉のことに触れるとは思わず、顔がどんどん熱くなってきてしまった。 「さっきのスピーチ、超よかったし」 そう言いながら、大谷くんは笑顔で頷いていた。 もう!こんなところで言わなくてもいいのに。 私の顔が真っ赤になる様を見て、大谷くんはクスクス笑っている。 「そんなことはいいって!…それより、こんど幸恵のこと、ここのホテルのレストランにでも連れてきてあげたら?」 このまま悠哉の話を続けるのは危険極まりないと思った私は、すかさず話題を変えた。 「え? レストラン?」 「そう!ここの最上階にあるレストラン、すごくいいんだよ!」 「へぇ、そうなんだ。なるちゃん行ったことあるの?」
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