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お互い疲れてるのは同じなんだけど、どこか清々しい悠哉の横顔は、私のことを自然と笑顔にしてくれた。
今日から、さらに一緒の時間を共にする。
少しずつそれが、実感として私の体を奮い立たせていくのがわかった。
ここはきちんと挨拶しよう。
そう思った私は、ソファーの上へ正座して、悠哉の方を向いた。
「…あの」
「ん?」
不思議そうに私を見つめる悠哉。
「改めて言うのは、なんだか照れくさいんですけど、…今日から、よろしくお願いします」
そう言って、ペコッと頭を下げた。
ゆっくり顔を上げると、悠哉はニコッと笑い、さらに私の頭を撫でた。
「私、アホでドジなので、失敗ばかりしそうなんですけど、でも、全部がんばりたい。悠哉の恋人としても、秘書としても…。これから、もっと素敵な時間を過ごせるように、私、がんばります!」
決意を新たにそう宣言すると、頭を撫でていた手は、私の頬に触れてきた。
悠哉の瞳が真っ直ぐ私に注がれる。
「なる、…気負う必要はないからな」
「え?」
「俺はただ、お前をもっとそばにいさせたかっただけだ」
悠哉の眼差しの強さとその言葉に、顔がカアッと熱くなり始めた。
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