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「はい!いつも電車の時間ギリギリなので、少し余裕を」
そう返すと、悠哉は私を見つめた。
ん?何?
「お前まさか、電車で通勤するのか?」
「え?そうですけど…?」
なんで?いつもそうじゃない?
不思議に思っていると、悠哉は私の肩にポンと手を乗せた。
「なる、もう隠す必要はないんだ。一緒に通勤したって何も問題ないだろ?今日から俺の車に乗っていけ」
そう言いながら、私の瞳を覗き込んでくる。
…悠哉ってば。
私も負けじと悠哉の瞳を見つめた。
「却下です」
「何!?」
私の即答は、悠哉にとって予想外だったらしい。
すぐに理由を聞いてきた。
「なぜだ!?」
「みんなにバレた後の、初日の出勤だからです!」
悠哉は片眉を上げていた。
「一緒に通勤したら、もっと大変なことになりますよ!注目の的になることは間違いないんですから、ここはやはり、別々に出勤するべきです!」
強く言うと、悠哉はふぅと一息つき、私の頭をまたもポンポンした。
「…まぁ、お前のことだからそうなるだろうとは思ってたよ。だが、もう少し悩んでみてもよかったんじゃないか…?」
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