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悠哉の家を早めに出て、暑い陽気のなか、私は会社へ向かった。
もうすぐ7月。
真夏はすぐそこまできている。
陽射しが強くなってくると、駅までの道のりはかなり厳しいんだよね。
そう思いながら、出勤していた。
会社にも、いつもより早めに到着。
落ち着かない心をよそに、意を決して会社のなかへ。
受付へ視線をむけると、いつも3人並んでいるのに、今日は1人だけだった。
まだ出勤してないのかな?
心臓をバクバクさせながら、その子へ朝の挨拶を試みる。
「おはようございます」
そう声にして、ニッコリ。
すぐに受付の子は顔を上げた。
挨拶が返ってくるかと思ったけど、その子は私を見つめたまま。
どこか表情は硬い。
このままいてもきっと挨拶はかえってこないと判断した私は、ペコッと会釈してその場を離れ、エレベーターへ歩きだした。
ギュッと唇を噛み締める。
…ああ、ヤバい。
胸が痛い。
エレベーターのボタンを押すと、すぐにドアが開いた。
それに乗り込む。
ドアが閉まったのを確認して、私はふぅ~とおもいっきり息をはいた。
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