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いかなる衝撃があろうとも動じないよう、平常心を保とうとした。
「おはよう、相沢さん」
…あ。
私が目を見開いて柏木さんを見ていると、不思議そうに尋ねてくる。
「何?どうしたの?」
「い、いえ!別になんでもありません」
私は首を勢いよく振った。
…よ、よかった。
挨拶、してくれた。
自然とホッとする自分がいた。
「あ、あの、まだ社長は来てないんですが…」
そう言葉にして、ハッとする。
ああ、なんか自分から社長のことに触れなくてもよかったような…。
でも、他に何て声かければいいのかわからないし…。
待って待って!とりあえず、落ち着いて会話しなきゃ。
頭の中で、1人パニクっていた。
すると、柏木さんが私の顔をマジマジと見つめてくる。
そして、プッと吹き出し笑い始めた。
「アハハハ!相沢さん、変な顔!」
え、ええ!?
自分の心の中の葛藤が、どうやら表情に現れていたらしい。
おもいきり笑ってる。
そんな柏木さんを見て、私はどうすればいいのやら、困っていた。
「…ああ、ごめんね。悪気があって笑ったわけじゃないのよ。なんか怯えてるウサギみたいに見えてさ」
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