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「す、すいません!あの、何て言ったらいいのか、…ごめんなさい!」
身を縮めながらペコペコ頭を下げた。
そんな私を見て、またも柏木さんが笑う。
「アハハ!やっぱり怯えたウサギに見える」
うっ…、だって、だって…。
「私、甘かったかもしれません。きっとみんなの噂の的だろうとは覚悟していたんですけど、朝から無視されちゃうし。あの、これでもなるべく平常心を心がけてはいるんですが…」
泣きそうになりながら話していると、柏木さんがまたも笑った。
「ちょっと、全然平常心になんか見えないわよ。相沢さん、弱いわね~」
…ああ、とどめの一撃ですね。
私がシュンとしていると、柏木さんが尋ねてきた。
「朝から無視されたって、誰にされたの?」
私は首を横に振った。
「いえ、…対したことではないので…」
そう言うと、柏木さんは何やら考えだし、私の顔を覗いてきた。
「…もしかして、受付の子じゃない?」
「え!?」
…なんでわかったの?
私が驚いていると、やっぱりねと言いながら頷いていた。
「髪の毛肩まで伸びてる、パーマかかった子でしょ?」
私がさらに驚くと、柏木さんがニヤリと笑った。
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