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私が頭をこんがらがせていると、エレベーターのドアが開き出した。
振り向くと、降りてきたのは悠哉。
すぐに柏木さんは反応し、社長に一礼する。
私も続いて一礼した。
…今は、考えてる余裕がない。
これから仕事なんだから、しっかりしなくちゃ!
気分を切り替えることに集中しようとした。
「社長、おはようございます」
柏木さんの後に続いて、私も挨拶をする。
「おはようございます」
悠哉が私たちの前に来ると、口を開けた。
「ああ、おはよう」
そして、柏木さんと私と、交互に視線を送る。
「さあ、今日から忙しくなる。片桐がいない分、それぞれフォローすることも多くなるからそのつもりで」
悠哉のその言葉に、身が引き締まった。
「柏木。今までの片桐の仕事は、俺と高野でそれぞれ引き継いで受けることになっている。その仕分けについては片桐のデスクにおいてあるから、確認しておいてくれ」
「はい」
私は、今のことを自分の手帳にメモして聞いていた。
「今のところ、急な変更はないからそのままいつもの業務を続けてくれ。何かあったときは、すぐに知らせるように。以上だ」
「はい、わかりました」
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