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「いや、…あの、今メールを…」
アハハと笑いながら、ケータイをそっと閉じた。
ヤバい、動揺しちゃうよ…。
専務の悪魔の微笑みが目に浮かぶし…。
私を見て、悠哉は濡れた髪の毛を拭きながらさらに首を傾げていた。
「あ!コーヒー、今いれてきますね!」
あまりつっこまれて聞かれてはいけないと思い、その場からソソソッと離れた。
うぅ…、これってもしかして、何も知らなかったほうがよかったんじゃない?
コーヒーを入れてソファーのところへ戻ると、着替え終えた悠哉がどっしりと腰かけていた。
「あれ?私服持ってきてたんですか?」
「ああ。はじめから泊まるつもりだったからな。…なるのも適当に繕って持ってきてある」
え!?そうなの?
コーヒーをテーブルへ置くと、悠哉は時計を気にしながら私に声をかけてきた。
「なる、シャワー浴びるのか?」
「あ、はい。浴びたいです」
「そうか。…朝食頼んでおくから、すぐ行ってこい」
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