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「ほら」
タオルを差し出す悠哉。
私は顔を熱くさせながら受け取った。
「ありがとうございます」
急いで体を拭いた。
もう、びっくりさせないでよ。
でも、襲われるなんて思って失礼だったかな?
…いやいや、日頃の悠哉の行いがそう思わせたんだから、そんなのどうってことないよね。
そんなこと考えながら、タオルを体に巻きつける。
ふと顔を上げると、悠哉と目が合った。
しばらく黙って見ているかと思ったら、ニコッと微笑んでくる。
ん?…何?
少しずつ、私との距離を縮めてくる。
…あれ?…なんか、イヤな予感?
私の真ん前で立ち止まると、ゆっくり頬に触れてきた。
そして顔を近づけてくる。
やっぱりこれ、予感的中!?
私が硬直したままでいると、おでこに自分のおでこをコツンとくっつけてきた。
目を閉じながら、クスッと笑う。
「いい香りがする」
私はどこを見てればいいのかわからず、顔を下げた。
「…せっけんのにおいですか?」
胸の中の鼓動が、耳元でなってるかのように大きく聞こえてきた。
「いや、違うな」
「…え?」
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