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悠哉がおでこを離し、私の耳元へ回って呟いてきた。
「…甘くて、柔らかそうな。食べ頃なかんじの…。今すぐ手を出したくなるような、そそられる香り」
ああ、やだ!
そんな恥ずかしいこと言わないで!
どうしたらいいかわからず困ってしまい、真っ赤な顔を上げて悠哉を見つめた。
悠哉はニヤリと笑い、私の唇へ視線を流してくる。
…キスしちゃうの?
どんどん近づき、唇が重なった。
優しく交わる唇が、私の体を刺激する。
離れたかと思うと、吐息がもれて、また深く重なってくる。
うわぁ…。なんか私、もう感じてしまってない?
…どうしよう。
悠哉に、抱き締められたいかも。
このキスだけで、欲情を抑えることができなくなっている自分がいた。
悠哉の首に手を回そうかと思ったそのとき、なぜか唇が離れていく。
…あれ?
目を開けると、悠哉は私を見据えていた。
そして私の肩に手を置き、首を左右に振った。
「…ダメだ。…なる、お前を抱きたいのは山々だが、今はそんな時間がない。着替えて朝食だ」
そう一気に話すと、私から離れた。そして脱衣場から出ていく。
え?
ええ!?なにそれ!?
ちょっと待って!
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