1068人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、辛うじて、朝だけは悠哉と恋人の会話をすることができていた。
あまり時間に余裕がないから、ほんの一時ってかんじだけど。
それでも、この一緒の時間は、私にとってとても大きな意味を持つ。
悠哉からの愛と力をこの時間に蓄えて、仕事へ向かうエネルギーに変えるんだ!
相変わらず受付の伊藤さんは、私に対して挨拶をしてくれない。そればかりではなくて、私をどこか冷たい感じで接する人もいたりする。
でも、悠哉の力は想像よりもはるかに強く、私を支えてくれていた。
それだけじゃない。
高野課長や柏木さん、幸恵や大谷くん、私に声をかけてくれるみんなの力も、とてつもなく大きな支えになっている。
一人じゃないと思えるだけで、心強かった。
専務不在の5日目。
この日も、何かと慌ただしい時間が続く。
私も柏木さんも、最上階と下の階を行ったり来たり。
ああ、専務、あなたはどれだけ仕事をこなしていたんですか?
私、もういっぱいいっぱいなんですけど…。
そう嘆きたくなりながらカウンターに座り、しばしの着席。
ふぅと一息ついた。
時計を確認すると、もうすぐ15時。
最初のコメントを投稿しよう!